「歌舞伎」というと、わかりにくい伝統芸能のひとつ、というイメージが強いと思います。たしかに台詞は普段しゃべっている言葉と同じではないので、理解しづらいかもしれませんし、芝居の上でのいろいろな約束事や、繰り返し観なければ理解しにくい事柄もないわけではありませんから、それがそのまま皆さんから観て、敷居の高いものという印象につながってしまっている場合もあるでしょう。
でも、歌舞伎を劇場で実際に観ていただければ、絢爛豪華な衣裳の色彩、多彩な仕掛け、ストーリーの奥深さなど、観ている人間を惹きつける要素にあふれたものであることは、わかっていただけると思います。
なにを隠そう、私もその魅力に惹きつけられたひとりです。
この本では、そんな歌舞伎の魅力の一端を、できるだけわかりやすくまとめてみました。300年以上の歴史に培われた歌舞伎は、先人たちの知恵と努力が積み重ねられたものですから、まだまだ数えきれないほどの驚きと魅力に満ち溢れています。舞台全体から発散するその魅惑的なパワーは、やはりライブでしか味わえないものです。自分の目で実際に歌舞伎を観て、あなた自身が感じる歌舞伎の素晴らしさを見つけてください。
歌舞伎は知れば知るほど、その魅力の虜になる奥の深い世界で、飽きることがありません。
さぁ、私が歌舞伎の世界をご案内いたします。